基本計画 自給力指標 農地、労働力を反映 施策効果含む将来像も

 農水省は、新たな食料・農業・農村基本計画の策定に合わせ、国内でどれだけの食料を生産できるかを表す「食料自給力」の指標を見直す。農地と労働力の二つの要素に基づいて指標を示す。より実態に近づける狙い。農地・労働力確保などの施策効果を織り込んだ10年後の指標も示す。ただ、農地や労働力は政府の想定以上に減っており、厳密な指標とするよう求める声もある。
 

「厳密さ」重要 農政審


 食料自給力指標は2015年の基本計画見直しに合わせて新設した。現在は、農地を最大限活用した場合の国民1人の1日当たりの供給可能カロリーを計算。18年度時点の指標は、米・小麦・大豆を中心とする食生活だと1829キロカロリーで、1人・1日当たりの推定エネルギー必要量2143キロカロリーを下回った。

 現在は農地面積と単位面積当たり収量を基にしており、労働力は制約がない前提で計算している。見直し後は、農地を最大限活用した場合と労働力・生産性を加味した場合の2パターンで、供給できるカロリーを計算。食生活を踏まえてそれぞれ数値化し、両方が満たす水準を指標とする考えだ。

 同省は「農地だけがあっても労働力が無ければ食料は生産できない。自給力の実態を正確に把握するために両方の要素を考慮するようにしたい」(政策課)と説明する。

 今後の施策の効果を織り込んだ10年後の指標も併記する。農地関係では荒廃農地を再生させて農地を確保したり、多収性品種の普及で収量を増やしたりする効果を反映。労働力関係では、多様な働き手の確保、スマート農業による作業効率化の効果を反映する。政策支援の重要性を示す狙いだ。

 ただ、農地面積は現行の基本計画の見通しを上回るペースで減り、労働力に当たる農業就業者数も現行の基本計画の想定を下回って推移する。

 基本計画を検討する同省の食料・農業・農村政策審議会企画部会では、自給力指標の見直しに当たり「希望的観測になっていない厳密なものを打ち出すべきだ」との意見が出た。施策効果を高く見積もり過ぎれば、将来の自給力を過大評価することになる。より厳密な指標を打ち出すことが求められそうだ。
 

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