主産地20年産米 概算金600~1000円下げ 需要対応、計画販売が鍵

 JA全農県本部や経済連がJAに提示する2020年産米の概算金・買い取り価格が出そろった。東北や関東の主産地は、前年産より1等60キロ当たり600~1000円の下げ幅が中心。需給緩和の傾向を踏まえ、6年ぶりの下げとなる。今後は、新型コロナウイルス禍による需要変化への対応や、米価の大幅下落を避けるための計画的な販売が鍵となる。

 

 主力銘柄の下げ幅は、トップ産地の新潟「コシヒカリ」が900円、東北産が600~800円で、1000円未満となった。19年産の民間在庫は多く、20年産も8月時点の主産地の作柄が「やや良」のため、供給は過剰傾向が予想される。

 新型コロナ禍による業務需要の減少で販売が長期化すると見通し、産地は概算金を設定した。JA全農山形は「はえぬき」を800円下げ、1万2200円とした。業務用販売が多く販売の長期化を見込むが、今後は「家庭用にもPRを強化していく」という。

 厳しい販売環境下だが販売先を確保していることを踏まえて概算金を設定した産地もある。JA全農あきたは「あきたこまち」を700円下げの1万2600円とした。複数年方式を含む事前契約で、販売計画量16万7000トンの9割の販売先を確保しているという。JA全農みやぎは「ひとめぼれ」を1万2600円とし、700円下げた。事前契約で販売先のめどを立てていることも考慮した。

 関東産「コシヒカリ」は、1000円ほど下げる動きが大勢だ。市中価格が大きく下がっていることも背景にある。千葉県内のJAは、「コシヒカリ」の生産者からの買い取り価格を1万3100円とし、1200円下げた。「外食向けの販売が多いので、新型コロナの影響が大きい。20年産の荷動きは良くない」と指摘する。全国的に販売が苦戦する業務用銘柄で、概算金の下げ幅は大きい。

 米の販売は今後、本格化する。19年産の持ち越し在庫が多く、新型コロナで需要動向に不透明さもある。

 産地が売り急げば米価の下落が進んでしまうため、JAグループは20年産米の需給安定に向けて長期計画販売に全国で取り組む姿勢だ。国の事業を活用して20万トンを、21年秋以降に販売する。東日本のJA関係者は「売り急いで価格が下がる事態にならないようにしたい」と話す。

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