コロナとJA総会 議案事前説明に工夫を

 JAの総会・総代会のシーズンを間もなく迎える。新型コロナウイルスが再び拡大し、事前の地区別説明会などの開催が難しいケースもありそうだ。組合員への議案説明や、質問・意見聴取を十分に行うことが重要だ。各地の事例も参考に集まらなくてもできる工夫をしたい。

 JAの通常総会・総代会は例年3~6月が多い。数百人単位で集う大規模な会議体であり、密閉・密集・密接の「3密」を避ける工夫や対策が必要だ。感染状況の見通しが立たず、開催時期や会場の選定にも苦労するが、終息していないことを前提に準備すべきだろう。

 感染リスク低減へ昨年は、来賓あいさつを省くなどで時間を短縮したり、出席者を抑えるため書面での議決権行使を依頼したりするといった対応が目立った。会場ではマスク着用や検温を依頼、消毒液を置き、会場の座席や換気、マイクの使用にも目配りした。組合員や役職員の感染を防ぐためこうした対応が今年も引き続き必要になろう。

 感染防止とともに重要なのは議案内容への理解醸成だ。総会・総代会に向け、地域農業やJAの現状、課題を組合員と共有し、議案を説明し、意見を聞き、必要に応じて議案に反映させる取り組みが欠かせない。3密回避のため昨年は、地区別説明会などを中止せざるを得なかったJAが目立った。説明や意見の聴取・交換の場が減り、JAと組合員の距離や情報格差が広がるということがないよう注意しなければならない。

 そのための実践例は各地にある。昨年7月に総代会を開いた三重県のJA伊勢は、約50分の議案説明用DVDを作成。事前説明会を中止し、書面議決を推奨したため説明を尽くそうと準備し、総代930人に資料や質問書と一緒に送った。

 長崎県のJA壱岐市は同市のケーブルテレビを活用。総代会の議案の要点を収録し、6月の2週間にわたり1日2回放送した。JA兵庫南は、総代会資料を組合員に配布し、質問を募り、全質問を集約して一問一答形式でまとめた資料を再び組合員に配るなどした。

 感染の防止と組合員への議案の説明や理解の浸透を両立させる手法として、各地の取り組みは参考になる。また、デジタル化が進み、ウェブ会議や動画配信も活用できるだろう。こうした対応は時間と労力が要る。早めの準備が肝要だ。

 総会・総代会はJAの最高意思決定機関であり、事業計画や剰余金処分、役員選任など組織の重要案件を決める機会である。組合員の関心の高い自己改革の報告や支所・支店統廃合計画などの案件もあろう。

 新型コロナ下で制約が多い中だが、議案について説明責任を果たし、理解を醸成するための工夫がJAには求められる。一方、JAの主役として組合員は、資料を読み込み、書面などによることも含めて、質問や意見、要望を伝えよう。
 

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