米の主産県 転作独自支援広がる
2021年02月23日
2021年産米の需給安定に向け、主産県で独自の転作支援策を講じる動きが広がっている。主食用米の作付面積が多い上位10道県のうち7県が、都道府県と同額を上乗せ助成する農水省の新たな支援策を活用し、独自支援に取り組む方針だ。飼料用米などに転作を拡大した分の助成を手厚くし、農家の転作意欲を高める。
同省は、転作助成金に当たる水田活用の直接支払交付金に、21年産から「都道府県連携型助成」を新設する。……
国の上乗せ活用“深掘り”後押し
同省は、転作助成金に当たる水田活用の直接支払交付金に、21年産から「都道府県連携型助成」を新設する。……
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なんという精神力だろう
なんという精神力だろう。世界が見詰めるひのき舞台での堂々たる姿が、誇らしい▼米ジョージア州オーガスタで開かれた、男子ゴルフのマスターズ・トーナメントで優勝した松山英樹選手である。日本男子のメジャー大会優勝は初めての偉業。優勝者のみに与えられるグリーンジャケットに袖を通した時の顔には、大仕事をやり遂げた満足感が満ちていた▼最終日首位でのスタートだったが、決して楽なゲームではなかった。勝負どころの15番ホール。当たりが良過ぎた1打は、無情にもグリーンを越えて池に。並の選手であれば、ずるずると後退する場面である。気持ちを切らさず踏ん張り、栄冠を手繰り寄せた。ハラハラドキドキの連続は、テレビ観戦しているこちらの眠気をも奪った▼松山市生まれの29歳。アマチュアだった東北福祉大学(仙台市)の学生の時に、初めて出場権を得たが、大会目前で東日本大震災が発生。迷った末に、被災者の声に押されて出場した。苦節10年。あの時背中を押してくれた、東北への感謝は忘れない▼コロナ感染が広まる中、高齢者へのワクチン接種が始まった。そんな初日の朗報は、沈みがちな心に勇気と感動をもたらす。おめでとう、そして、ありがとう。
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2021年04月13日
JA相談機能強化 経営支援へ人材育成を
大規模化が進む地域農業の担い手に対して、経営戦略や営農計画などの策定、実践を支援する総合的な相談機能の強化が、JAには求められている。経営環境の変化に対応した提案で目標達成や経営改善に貢献し、JA事業への満足度の向上につなげたい。
効率的な農業経営に向けて担い手の大規模化が進む。担い手への農地の集積率は徐々に高まり、2009年度の48%から19年度には57%になった。複数の市町村で農地を利用する農地所有適格法人は19年が2243に上る。
一方、JA全中の調査によると、生産販売データに基づく経営コンサルティングを実施しているJAは20年度で、個人対象が16%、法人対象が9%だった。
JAグループは、第28回JA全国大会で農業所得の増大に向けてコンサルティングの強化を決議した。JA全中は組合員の経営支援ができるJA職員を育成するため、営農指導員にとって上位資格の一つとなる「JA農業経営コンサルタント」の資格を新設。21年度から本格実施する。
JAの担当職員には、どのような能力が求められるのか。先行するJA滋賀中央会の取り組みを参考にしたい。
農家組合員の経営課題の解決策を提案する能力を備えた職員の育成を20年度、県域で開始。コンサルティングを行う職員に求められることとして農業、農政、経営戦略、マーケティング、財務の知識などに加え、経営課題を聞き取り、整理・分析し、改善提案ができることを挙げる。経営課題を聞き取る傾聴、承認、質問をする能力と、農業者の経営を良くしたいという強い意識が必要だとした。
これらの知識と能力は、座学だけでは難しい。そこで研修には、営農指導員らが、農業法人の経営者から課題を聞き取り、整理・分析した上で具体的な経営改善策を提案する実習を取り入れた。JAグループの県域で、こうした実習を取り入れたのは全国初だという。同中央会は、滋賀県のJAでは、販売額の大きい農業法人との関係構築が今後、求められているとみている。
JAの営農指導員は、他のコンサルタントよりも生産現場をよく知っていることが最大の強みだ。コンサルティング能力を身に付けた職員が担い手の多様な悩みを解決し、JAとの関係強化につなげたい。JAが相談機能強化に注力するのは農業経営だけではない。神奈川県のJA相模原市は、メガバンクなどに対抗するため総合事業を生かした資産相談に取り組む。
JAに求められるコンサルティングの分野と能力はさらに多様化するだろう。営農や暮らしなど各分野の環境変化に対応した提案ができる人材を育成しよう。
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2021年04月08日

本郷和人さん(歴史学者) 母の手料理こそ一番のごちそう
母は栄養士で、東京栄養専門学校という栄養士を育成する専門学校の立ち上げから関与していたんですね。僕が幼稚園の頃、まだ洋食があまり普及していない頃から、母はドライカレーや手ごねハンバーグを作ってくれました。
前の東京オリンピックの時、帝国ホテルの村上信夫シェフが選手村の料理を管轄されていましたが、母はその下で働いていたんです。だから僕の家には金メダルがあるんですよ。料理のスタッフに贈られたわけです。母が言ってましたけど、選手村の調理に携わるに当たって、家系から何から全部調査されたそうです。
うちは両親と僕と弟、それに祖父母と父の姉が住む大家族でした。祖父と祖母は、サトイモの煮っ転がしとかが好きなんですね。母は和食も得意で、祖父母が喜ぶような料理も実においしく作ってくれて。だから僕は、子どもの頃から煮っ転がしとかも大好きでした。
僕は小さい頃、体が弱かったんです。それで親が心配して、小学校1年生の時に、1学期間だけ仙台の田舎に預けられました。毎日、朝露を踏んで駆けっこすると、体が良くなるんじゃないかというような話で。
その時に僕が預けられた家では、農作業もやっていたんですね。出荷しない野菜を食べさせてくれました。おいしかったなあ。仙台で、野菜のおいしさに目覚めました。
東京に戻ってからは、母の漬物のおいしさも分かるようになって。キュウリやナスの漬物があれば、それだけでご飯3杯いける、みたいな感じになりました。
おいしいものをどんどん食べなさい。それが母の教えでした。家でおいしいものを食べたからか、小学校の給食がまずく感じて。今になって思えば、懐かしさは感じますよ。でもおいしいと思ったことはない。よく、給食のことを回想して、「おいしかった」という人がいるじゃないですか。僕には信じられません。
中学・高校時代、母はずっと弁当を作ってくれました。でもそれだけじゃ足りないんです。2時間目が終わると、弁当を食べちゃいました。4時間目が終わると、食堂へ。カレーが80円、ラーメンが70円でした。時々、80円でチャーハンが、70円で焼きそばが出たんです。そちらはけっこう人気。数に限りがあって、あっという間になくなるんですね。チャーハンと焼きそばが出る日は、皆、食堂に向かって飛んで行きました。
母が東京栄養専門学校で働いていた頃、東京大学史料編纂(へんさん)所の菊地勇次郎という方が教えに来ていたそうです。菊地先生は後に史料編纂所の所長になられた方です。食物史を得意としていたので、その講義のためにいらしていたんですね、アルバイトで。母によると、菊地先生はとてもすてきな方で人気があったそうです。小学校4年生くらいの時、歴史が好きだった僕に母が言いました。
「あなたは東大に入って、史料編纂所に行けばいいんじゃない」
僕は27歳で史料編纂所に入りました。その年、京都の醍醐寺に調査に行ったんですよ。その調査団のトップが、史料編纂所を辞めていた菊地先生でした。声は掛けなかったけど、顔は見てます。
母はがんで57歳で亡くなりました。末期は、東大のそばにある日本医大病院に入院したんです。僕は大学から自転車で、母の病床に通っていました。同じ頃、病院には菊地先生も療養されていたのです。不思議なご縁を感じました。(聞き手・写真=菊地武顕)
ほんごう・かずと 1960年東京都生まれ。東京大学、同大学院で日本中世史を学ぶ。東京大学史料編纂所教授。「戦国武将の明暗」「戦国夜話」「日本史のツボ」など多数の著書で歴史を分かりやすく説明する。近著に「『失敗』の日本史」(中公新書ラクレ)、「『違和感』の日本史」(産経セレクト)がある。
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2021年04月10日

地域と移住者を橋渡し 各地で協力隊“卒業生”の組織設立
元・地域おこし協力隊員の組織化の動きが、各地で広がっている。地方への移住希望者と受け入れ側とのミスマッチ予防に活躍する。元隊員は、隊員の募集要項の見直しを助言し初の採用に貢献、また経験を生かして移住希望者の不安に寄り添うなどの活動を展開。政府が2024年度までに隊員数を8000人にする目標を掲げる中、“先輩移住者”として隊員の受け入れや定着を後押ししている。(丸草慶人)
「隊員」初採用導く 募集要項の見直しも
総務省によると元隊員らの組織数は、15年度の1団体から、20年度末までに19団体に増えている。隊員数が増える中、身近な相談窓口として同省は19年度、組織化を後押しする事業をスタート。都道府県単位の組織を設ける場合、150万円を上限に助成する。20年度までに10団体を採択。21年度も事業は継続する。
「自治体は隊員にあれもこれも多くを求めがち。隊員はスーパーマンではない」。佐賀県地域おこし協力隊ネットワーク代表の門脇恵さん(35)はこう指摘する。佐賀県で19年11月、元隊員らが同ネットワークを設立した。20年度、4市町の募集要項や活動内容の見直しを手伝った。
門脇さんの助言で神埼市は、活動項目を7から1に絞り込んだ。「イベントの開催と誘致」に限定し、仕事内容をイメージしやすくした。このことで、隊員の募集開始から4年目で初の採用につなげることができた。同市初の隊員となった福岡県出身の吉富友梨奈さん(31)は「移住希望者にとって、活動内容の分かりやすさは重要。サポートが充実していて安心できた」と話す。
悩みに共感心ケア 相談窓口を担当
元隊員は、移住希望者の不安にしっかり寄り添えることも強みだ。19年度の移住者が1909人と過去最高を記録した愛媛県。移住相談窓口を「えひめ暮らしネットワーク」が担う。
ここでは8人の元隊員が松山市の事務所に常駐。移住希望者が現地を視察する場合、ネットワークの元隊員が現地隊員の同行を手配している。
元隊員の組織化によって、隊員や自治体の情報が集まりやすくなった。このことを生かし移住希望者に適した地域や活動内容を助言し、ミスマッチの防止を目指す。不定期で訪れる移住相談にも臨機に対応でき、着実な移住につなげている。代表の板垣義男さん(46)は「希望者の悩みに共感して、視察先のありのままを答えることができる」と胸を張る。
持続可能な地域社会総合研究所・藤山浩所長の話
地方回帰を進める上で、地域おこし協力隊は重要な存在だ。地域実態に合った活性化の戦略を練り上げるには、隊員としての経験と知見が頼りになる。元隊員らが組織化することで、ノウハウを共有して学び合える。地域の意見と移住者のやりたいことを調整して導くことができ、受け皿となることにも期待できる。
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2021年04月09日
熊本地震5年 経営発展へ支援継続を
熊本地震から5年。多くの犠牲者を出し、農業被害も甚大となった。熊本県ではこの間、営農再開が進んだ。経営が軌道に乗るよう支援の継続が必要だ。復旧工事が未完の地域もある。県は「創造的復興」の旗を掲げ続け、農業振興に力を尽くすべきだ。国の後押しも求められる。
2016年4月14、16日、最大震度7の揺れが襲った。関連死を含む犠牲者は熊本県などで273人。ピーク時には、5万人近くが仮設住宅に入居した。多くの農業用施設が傷み、水田はひび割れて無残な姿になった。農業被害は熊本県で1353億円に上った。
農家の高齢化や担い手の減少、人手不足などによる生産基盤の弱体化が、震災で加速することが懸念された。対症療法のような復旧事業では、農業の衰退を防げない。再起に向けて県が、被災前よりも力強い農業を築くために「創造的復興」を掲げたのには、そうした背景がある。
農協職員の経験もある蒲島郁夫知事は震災後、日本農業新聞のインタビューで「前よりもいい姿に復興させたい」と意欲を示していた。
5年間で被災した田畑の整備は進んだ。県によると3月末時点で、農業を続けたいと希望した全ての農家(1万5500戸)が、何らかの作物を作付けできるようにまでなった。また、農林業センサスで震災前(15年)と後(20年)を比較すると、経営面積や経営体数で、被災地が突出して衰退した形跡は認められなかった。
一方で、基盤整備で区画を拡大し、効率的な農業が可能になった場所もある。
これらは、県の旗振りと、農家やJAの頑張りの結果だ。県と、JA熊本中央会などJAグループは連携協定を結び、生産基盤や地域再生を進めてきた。
今後は再開後の農業経営が軌道に乗り、さらに発展段階に移行できるかが問われる。作付けは可能になったが、農道や水路の工事が終わらない地域がある。特に中山間地に偏っているのが心配だ。水が引けず、大豆栽培を続ける稲作農家がいる。再生した棚田で昨年、主食用米を育てたが収量が期待を下回り、不安を感じた人もいる。
営農再開は、あくまで復興の通過点である。農業で稼ぎ、農地と地域を守ってきた被災農家が皆、「前よりもいい姿」になるには、まだ時間が必要だ。新型コロナウイルス禍や天候の影響で、主食用米の需要低下や野菜価格の乱高下など、新たな課題にも直面している。
5年という節目を機に、行政には、経営の発展と地域農業の振興に向けた道筋を描き、細やかな支援を続けるよう期待したい。
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2021年04月14日
農政の新着記事
原発処理水 海洋放出を決定 風評被害を懸念 農業関係者落胆「極めて遺憾」
政府が13日、東京電力福島第1原子力発電所から出る放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出する方針を決めたことを受け、福島県の農業関係者からは、落胆と同時に風評被害を懸念する声が上がった。JA福島五連の菅野孝志会長は「福島県の第1次産業に携わる立場として極めて遺憾である」とコメントを発表した。
JA福島県青年連盟の手代木秀一前委員長は、「われわれの思いが反映されなくて残念」と無念さをにじませる。県青年連盟は、国が処理水の処分方法に関するパブリックコメントを募集していた際に、海洋放出などには反対し、トリチウム分離のための技術開発への支援を要望していた。
県内の農家が懸念しているのが農畜産物への風評被害だ。手代木前委員長は「これ以上の風評被害が起きないことを祈るが、いろいろな対策をしても風評被害は起こるのではないだろうか。県産農産物の競争力が落ちないか心配だ」と今後を懸念する。
菅野会長は「政府が説明する風評被害の発生抑止対策には具体性がない」と指摘した。
事故後10年経過した現在も農林水産物の風評被害が継続している実態から、「処理水の海洋放出は海産物ばかりでなく、県農林水産業の衰退が加速するとともに、風評被害が拡大することは確実」とした。
これに加えて「一層の研究開発により、放射能物質の完全除去ができる技術開発を進めるとともに、その間は貯蔵タンクの増設などにより本県農林水産物の安全・安心情報を守るよう切望する」と表明した。
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2021年04月14日
農地特区延長を可決 付帯決議「効果明らかに」 衆院特別委
衆院地方創生特別委員会は13日、兵庫県養父市で認めている一般企業による農地取得の特例措置の期限を2021年8月末から2年間延長する国家戦略特区法の改正案を、自民、公明、維新の各党の賛成多数で可決した。だが、特例の必要性や効果を巡る政府の説明には、与野党から疑問が続出。特例の効果を明らかにすることなどを政府に求める付帯決議を採択した。
特例の活用状況について農水省は、21年1月末時点で農地を取得した企業は6社、取得面積は計1・65ヘクタールだと説明。割合は経営面積全体の約5・5%で、残りは既に全国で解禁しているリース方式だとした。1社は19年3月から休業し、取得農地は農業利用されていないとも指摘した。
一方、内閣府は、……
次ページに付帯決議のポイント(表)があります。
2021年04月14日
法人議決権緩和 規制改革WG内でも異論 優良農地支配を懸念
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)が関心を示す農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、同WG委員の農業経営者から否定的な意見が相次いでいたことが議事録から分かった。要件を緩めた場合、農業関係者以外の資金力がある出資者に農地を支配されかねないなどの指摘が出た。身内からも異論が噴出したが、同会議は要件緩和を迫る姿勢を崩していない。
資金調達円滑に→経営権脅かす
こうした指摘が出ていたのは3月5日のWG会合。……
2021年04月11日
改正種苗法施行 海外持ち出し制限 初公表 シャインなど1975品種 農水省
農水省は9日、品種登録した品種(登録品種)の海外流出防止を目的とする改正種苗法の施行に伴い、海外への持ち出しを制限する1975品種を公表した。1日の施行後、公表は初めて。ブドウ「シャインマスカット」や北海道の米「ゆめぴりか」など、いずれも同法施行前に品種登録済み・出願中だった品種で、届け出に基づいて「国内限定」の利用条件を追加した。
野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「税関とも情報共有し、わが国の強みである新品種の流出を防ぎ、地域農業の活性化につなげていきたい」と述べた。
1日に施行された改正種苗法は、品種登録の際に、栽培地域を国内や特定の都道府県に限定する利用条件を付けられるようにした。「国内限定」の第1弾の品種は、農研機構や42道府県が開発した米や果実が中心だ。同省によると、国や県など公的機関が開発した登録品種の9割が「国内限定」となった。
米では青森県の「青天の霹靂」や新潟県の「新之助」、果実では石川県のブドウ「ルビーロマン」や福岡県のイチゴ「あまおう」、愛媛県のかんきつ「紅まどんな」などが含まれる。今後、民間の種苗会社の品種も含めて、順次追加する。
条件に反して海外に持ち出した場合、個人なら10年以下の懲役や1000万円以下の罰金、法人なら3億円以下の罰金が科される。流通の差し止めや損害賠償といった民事上の措置も請求できる。
同省は、同法施行の経過措置として、施行前に品種登録済み・出願中だった品種も、「国内限定」などの利用条件を追加できるようにしていた。9月30日まで届け出を受け付ける。一方、今後、品種登録する品種は原則として「国内限定」とするよう開発者に促す。
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2021年04月10日
輸出基本方針を改正 マーケットイン型へ転換 政府
政府は9日、農林水産物・食品輸出促進法に基づく基本方針を改正した。昨年11月にまとめた、輸出拡大に向けた実行戦略を反映。相手国の需要に応じたマーケットイン型の輸出への転換を強調した。各国の需要や規制に対応した「輸出産地」の育成や、生産から輸出までの事業者を束ねた「品目団体」の組織化などを盛り込んだ。
輸出産地については、輸出事業計画の認定を通じ、産地ごとの目標や課題、対策を明確化する。……
2021年04月10日

産地交付金の「県枠」拡大 飼料用米支援広がる
農水省は2021年産から、米の転作を支援する「産地交付金」のうち、都道府県段階で助成内容を決める「県枠」の割合を拡大した。これを活用し、県単位で飼料用米など非主食用米への支援を拡充する動きが出ている。米主産県では前年からの作付け拡大や、直播(ちょくは)をはじめ生産性向上を要件にした助成などの検討が進む。
同交付金は転作助成金の「水田活用の直接支払交付金」のうち、県や地域協議会で使途を決めるもの。……
2021年04月09日

霞が関から新動画 農水省職員・人気ユーチューバー復活
動画投稿サイト・ユーチューブの農水省公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で一番人気のコンビ「タガヤセキュウシュウ」が再始動する。九州農政局の若手2人で結成し、ばずまふ最多の再生回数を誇るが、1人が東京の本省に異動となり、離れ離れに。だが4月から“相方”も東京に異動。8日、活動再開を報告する動画を投稿した。
コンビは九州農政局で同僚だった野田広宣さん(27)と白石優生さん(24)が2020年1月に結成。同年3月、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ花きの消費拡大を呼び掛ける動画を投稿すると、時間がたつに連れて2人が花に埋もれていく演出が話題を呼んだ。再生回数は88万回で、ばずまふの400本超の動画の中で最も多い(21年4月現在)。
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2021年04月09日
野菜需給調整 補填引き上げ 平均価格の7割 農家負担は軽減
農水省は2021年度、主要野菜の緊急需給調整事業を大幅に見直した。市場価格が大幅に下落した場合、出荷調整に取り組む生産者への補填(ほてん)水準を市場平均価格の7割に引き上げた。国と折半で造成してきた資金の負担割合も2割に軽減。生産者に手厚い内容で活用しやすくし、野菜相場の安定につなげる。
事業はダイコン、ニンジン、キャベツ、レタス、ハクサイ、タマネギの6品目が対象。……
2021年04月08日

米の支出額11%減少 過去20年で最低水準 2月家計調査
米の消費が家庭向けでも苦戦している。総務省の家計調査によると2月の支出額は前年比11%減となり過去20年で最低水準だった。昨年のような買いだめ特需も見られず、従来の消費減に歯止めがかからない。一方、パックご飯など手軽に食べられる商品は好調で、簡便さが米消費挽回の鍵になりそうだ。
簡便「パック飯」好調
2月の1世帯当たり(2人以上世帯=平均2・94人)の米の支出額は1546円で、米の買いだめが発生した前年同月から大きく落ち込んだ。20年産の出回りが本格化した10月以降で見ても、緊急事態宣言後の巣ごもり需要が一時的に高まった1月を除き、前年割れが続く。10~2月までの累計では前年同期6%減となった。
米は外食店などの業務筋に加え、家庭用でも消費減を食い止められていない。東京都内の米穀店は「巣ごもり当初は炊飯の手間をいとわなかった人も、長期化するとより手軽な食品に移り従来の米の消費減傾向に戻った」と分析する。他の首都圏の米穀店も「巣ごもりと言われているが、あまり購入量は増えていない」と指摘する。
価格下落も支出減に影響した。業者間で取引する市中価格は2月以降下げ、店頭でも安売りが目立つ。だが消費者の購入数量は増えず、2月は支出額、数量共に過去20年で最低だった。
主食への支出は手軽に食べられる商品に移っている。麺類などの消費は好調。米でも弁当などを含む「主食的調理食品」の2月の支出額は4849円で5%増。パックご飯や冷凍米飯を含む「他の主食的調理食品」は1270円で3%増、10~2月の累計でも前年同期比8%増となる。
大手卸は「パックご飯を常時保存する家庭も増え、精米商品からの置き換えが起きている。高齢世帯の利用も増えている」と話す。
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2021年04月07日
内閣支持率続落40% 農政「評価せず」拡大 本紙モニター調査
日本農業新聞が3月に行った農政モニター調査で、菅義偉内閣の支持率が40%となった。発足直後の昨年9月に比べて18ポイント急落した12月の前回調査から、さらに4ポイント下落。不支持率は59%で、同3ポイント増えた。菅内閣の農業政策を「評価しない」人が同11ポイント増えて56%となり、支持率にも影響したとみられる。
他の報道機関の調査でも、菅内閣の支持率は発足当初の6、7割台から下落し、直近は4割前後で推移するものが多い。……
2021年04月06日